
中国北東部にある大連は目の前に海が広がる町で、景勝地もある一方で北東部の金融の中核都市ともなっています。街中には高層ビルが立ち並んでいるのに、車でちょっと出かけるだけで簡単に景勝地に行けてしまうという不思議な場所。
そして、大連といえば近代日本の戦争の歴史の中心となった都市でもあります。筆者は大連出身の方と何度か話をしたことがありますが、住みやすく穏やかな街と言っていました。そんな大連を代表する観光地を厳選して紹介していきます。
星海公園
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海に面した公園で、大連を代表する観光地でもあります。公園とはいっても規模が広く、歩いてすぐに海にたどり着けるわけではありません。まずは芝生の公園を楽しんで、その後ゆっくり海に向かうのがおススメ。
公園内をぐるっと一周してみたいならレンタサイクルを利用するのがよいでしょう。公園内にはモニュメントが多いので、全部制覇してみるのもよいかもしれません。
施設名:星海公園
英名:Xinghai Park
住所:遼寧省大連市沙河口区中山路
203高地(にひゃくさんこうち)
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日露戦争激戦の地で、乃木保典戦死の地として石碑などもあります。看板には日本語での説明もあるので、読みながら進むことをおススメします。バス停からはやや歩くので、運動靴が必須です。
榴弾砲のレプリカなどはあり、細かいところは違うとしても当時の雰囲気を感じられます。天気の良い日は旅順港を上から眺めるのもよいでしょう。
施設名:203高地(にひゃくさんこうち)
住所:大連市旅順口区203高地
大連賓館
大連が日本に統治されていた時代の建築物で、ルネッサンス様式を取り入れた西洋風のホテルです。清朝最後の皇帝である溥儀が宿泊した部屋などもあり、日本、清朝、満州国の歴史を感じられます。
現在もホテルとして営業していますので、気になる方は宿泊予約をしてみるのもよいでしょう。宿泊しなくても見学は可能となっています。
施設名:大連賓館
英名:Dailan Hotel
住所:遼寧省大連市中山区中山広場4号
ロシア風情街
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ロシアの租借地として統治されていた時代もある大連には、ロシアに関わる建築物なども残されています。ロシア風情街もしくは旧ロシア人街はその代表で、エリアの入り口にはちょっとした説明の石碑もあります。
現在は再開発が進み、ロシア関係のお土産屋さんが通りの中心になっています。古い建物を見るのであれば最も奥まで行けばOKです。
施設名:ロシア風情街
英名:Russian Appearance Street
住所:大連市西崗区勝利橋北
アクセス:勝利橋バス停下車徒歩3分 中山広場バス停下車徒歩5分
老虎灘公園
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老虎灘公園は大連市南部の景勝地と海洋動物園などを総称した場所です。荒々しい岩場は迫力があり、中国北東部ならではの厳しい自然のありようをまざまざと感じられること間違いなしです。
海洋動物園の方は一転してファミリー向けの楽しげな雰囲気。アシカショーやイルカショーなど、日本でもおなじみのショーも見られるので家族連れにはおススメです。
施設名:老虎灘公園
住所:遼寧省大連市中山区老虎灘
東鶏冠山北堡塁
画像出典:http://tabisuke.arukikata.co.jp/
203高地同様に日露戦争の激戦地であり、難攻不落の要塞としても知られていた場所でした。当時のロシアがあらゆる力を注いで作った要塞の1つで、規模も大きく作りもしっかりしています。
激戦の舞台となった塹壕などは当時のまま残されていますので、どことなくピリピリした緊張感があります。アクセスはタクシーで行くのがもっとも便利です。
施設名:東鶏冠山北堡塁
住所:遼寧省大連市旅順口区東鶏冠山北堡塁
天津街
大連でお土産を買ったり屋台グルメを楽しみたいと思うなら、絶対に一度は行っておきたいのが天津街です。平日であればそれほど混み合っていないので、ゆっくり見て回ることも十分に可能です。
大連が港町ということで、屋台グルメは海鮮を利用したものが多め、お土産品やリーズナブルなものが多いです。最初はちょっと高値を言われることが予想されるので、ぜひ値下げを頼んでみましょう。
施設名:天津街
英名:Tianjin city Dalian
住所:大連市中山区天津街
旅順博物館
旅順博物館の目玉展示は大谷探検隊がシルクロードで収集したミイラです。写真撮影は禁止となっているので、目にしっかり焼き付けてください。ほかには歴史ある鉄器や土器なども人気があります。
レトロな建物ですが手入れはしっかりされています。収蔵点数は3万点あるので、すべてをじっくり見るならこの博物館に1日かけるくらいでもよいかもしれません。
施設名:旅順博物館
英名:Lushen Museum
住所:遼寧省大連市旅順口区列寧街42号
URL:http://www.lvshunmuseum.org/
大連港
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太平洋戦争の終戦時、この大連港から京都の舞鶴港に引き揚げる船が次々に出港し、ある種混乱を極めた場所としても知られています。現在でも多くの客船の入港・出港がある港です。
待合室は引き揚げ当時の雰囲気が残っているので、ぜひ見てみることをおススメします。写真展示は港のすぐ近くにある倉庫で常時行われています。
施設名:大連港
住所:遼寧省大連市中山区港湾街1号
水師営会見所
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水師営会見所はもともと農家として使われていた場所を1905年の日露戦争停戦条約の締結の場として利用したことで有名になりました。現在の建物は1996年に復元されたものですが、当時の雰囲気は感じられます。
会見の写真や場所、歌碑などがありますが、ゆっくり見回っても30分くらいで見終わる場所なので、滞在期間が短くても楽しめます。日露戦争に興味のある方はぜひ訪れてみてください。
施設名:水師営会見所
住所:遼寧省大連市旅順口区水師営会見所
大連の10の観光地はいかがでしたか?
有名観光地の多くは、やはり満州国や日露戦争と関わりのあるものばかりです。これらの歴史をテーマにした、映画『ラスト・エンペラー』や小説『坂の上の雲』などの作品から大連に興味を持ったという方も多いようですね。
事前に日露戦争のおおまかな流れや満州国支配について学んでいくとどの観光地ももっと楽しめること間違いなしです。